中学教諭はヤバイ!?6割が過労死ラインを超えるという現実

2017年4月29日土曜日

働き方改革

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文部科学省が2016年度の公立小中学校の教員の勤務実態調査を公表しました。それによると中学教諭のおよそ6割が週80時間以上勤務しているそうです。これは過労死の目安とされる基準を超えています。調査結果では1日当たりの平均勤務時間は小学校で11時間15分、中学では11時間32分だそうです。中学教諭の約6割は週に60時間勤務しているということです。

勤務時間が増えた(減らない)要因の一つとして脱ゆとり教育の導入により授業コマ数が増えたからというのがあるようです。そして中学ではやはり土日の部活動の影響が大きいようです。ここ最近ブラック部活とでも言うのでしょうか、色々と問題になっていますね。

個人的に思うのですが、もう部活動制度というのは曲がり角に来ているのではないかと。もっと言えば部活動は廃止にしてスポーツや文化部の活動については地域のクラブなりにそれぞれ参加するといった方向にしてはどうでしょうか。

これなら教諭の負担もグッと減ります。子どもたちも学内だけではなく、同じスポーツや趣味に勤しむ他校の学生たちと触れ合う機会が増えるので世界を広げるためには良いのではないかと思います。

地域のクラブ活動には教諭も個人的に参加することだってできますし、地域の大人たちも教える側や一緒に楽しむ目的で参加すれば地域内でのつながりも密になります。部活動は教育目的でもあると言われますが、それなら様々な人と接する機会の多い地域クラブの方がよいように思われます。

なにより子どもたちに教える側の教諭が過労死ラインで働いているというのは笑えない現状ではないでしょうか。教諭というのは親を除けば子どもにとって最も身近な‟社会”を教えてくれる存在でもあります。その教諭が疲れ果てメンタルの不調に陥る人が続出したら…子どもたちは社会に出ることに恐れを抱くことになるのではないでしょうか。

このような過酷な勤務態様は早急に是正されるべきだと考えますが、実際は働き方改革において教諭は蚊帳の外なんですね。残業の上限規制の対象外の職種となっています。簡単に言うと教諭には時間外労働が無いという前提なんですね。残って何か作業しているとしてもそれは自主的に行っているもので業務命令に基づくものではないと判断されています。確かに一般企業でも従業員が「持ち帰って仕事をしていたので、家での夜間の作業分も残業代払ってください」と言われてもまず認められません。ただし到底期日までに終わらないような作業量を渡したり代替性の無い作業だったりするとはっきりと残業命令を出していなくとも黙示の命令があったと判断されます。ただ公立の教諭に関しては民間と違い労基法とは別の法律上の定めがあったりするので全く同じようには論じられませんが…それでも現状はどう考えても「働きすぎ」なのは間違いないです。
子どもたちに教える人自身がメンタル不調に陥って…なんて笑い話にもなりません。今回の調査で判明した実態をもとに法改正をはじめ何らかの措置が取られることを願います。

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福岡の社労士です。 労務管理のスペシャリストとして活動しています。 人事評価制度の構築や就業規則作成、労働トラブルの相談や助成金が得意分野。 気になることがあればお気軽にお問い合わせください!

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